子供のじゃまをしない

お子様の集中力を向上します、なんていううたい文句をよく見かける。しかし、子供が好きなことをしているときの集中力はもともとすごいもの。呼んでも聞こえてないなんてこともある。

どちらかというと、子供の集中力を下げる要因を、親が作っていたりしないだろうか。何かしているときにテレビをつけっぱなしにしていたり、子供が集中しているときに大人が横からあれしなさいこれしなさいと割り込みを入れたり。

何かやっているときにテレビがついていれば、それ自体集中力を下げることになる。親がテレビをつけっぱなしにしながら何かをやっていれば、子供はそういうものだと思って自分が何かするときもテレビをつけっぱなしにする。そういう状態でテレビを消しなさいと言っても素直には聞いてくれないだろう。実際ウチでもテレビはかなり悪い方向で習慣づいていたが、気づいてからはやるか見るかどっちかにしようね、などと声をかけることを繰り返し、自分も気づいたらテレビを消すようにしたところ、最近はときどき自分でテレビを消してからお勉強を始めたりするようになった。

子供が自分から何かやっているときはできるだけじゃまをしないように心がけている。ほめ言葉をかけるのもタイミングを見計らう。口を出したくなるときも多いが、自分からどうするか考えてるようになってほしいので、うるさく指示を出すようなことはせず、ときどきこうしたらどうかと提案したり、環境づくりで支援する程度にとどめるようにしている。 

好きなこと、やりたいことといっても子供だけにあれもこれもやりたがるし、あれこれいろんなものになりたいと言っている。今はアイドル、女優、看護師、客室乗務員など日替わりレベルだ。多くは一時のブームで終わるだろう。ここのところしばらくはファッションデザイナーがメインで色鉛筆を出してきていろいろ描いていたが、最近はアクセサリーデザイナーやネイリストにも興味を持っているようだ。今はそれでいいと思っている。いろんなお仕事を紹介している本を買ってきてあげたくらいだ。

まず、気がついたらやっている、放っておいたらいつまでもやっている、といったことを見逃さないようにしたい。そういうことこそ一生好きで続けていけるものになると思うから。上手下手は問題ではない。何十年も好きで続けることができればそれだけで幸せなことであるし、結果として自分だけの何かに到達しているに違いない。